2つのBuono/Two Buonos

 

 

Buonoとして2番めの発行物となる「Stile tabloid Buono」が10/20より発売開始となったが、エディターズボイス的に制作サイドの"想い"について記しておこうと思う。

 


写真・文:Buono編集部

 

まず2つのBuonoはまったく別のシリーズとして制作している。
「今回は大きいんだね」といった反応を多くいただいているが、大きさ(判型)に違いをつけているところもじつは"こだわり"の1つ。
そしてそれぞれが車両と部品に掲載テーマを限定しているところにも"こだわり"あり。
単に異なるシリーズを印象づけるという目的だけでなく、意味があって判型に変化を持たせているし、テーマについても区別していたりする。

今回の「Stile tabloid Buono」では部品がテーマ。
部品について興味を持っている人なら「待ってました!」となるかもしれないが、乗るのが専門とか可愛らしさからベスパに入ってきた人にとって「え、部品?」というのが本音かなとも思う。
まあ、ベスパって自分で直しながら乗っている人も多いと思うけど「修理や整備はお店に一任してるよ」って人も多そうだし、そういう人にとっては部品を目にする機会は間違いなく少ないはずで、まして部品自体への興味は相当に薄いんじゃないだろうか。

でも中古車両を買うときなど、恐らくほとんどの人が"しっかりした状態"のものを探したいと思っているはずだし、そんなときのバロメーターとして、部品に注目してみるのは悪くない方法だといえる。
オリジナルの純正部品が使われていることが"しっかりした状態"ということではないが、めちゃめちゃな部品が使われている車両よりも"正しい整備"をされてきた可能性が高いはずだ。

それに手に入れた車両がなんとなく調子が悪いとき、使われている部品が正しいものならば理論的にはセッティングや調整でなんとかなるはずだが、正しい純正部品ではなく、同形式のリプロ品や似た構造の代替部品でもなかったとしたら、セッティングもマニュアル通りとはいかないので一気に敷居が高くなってしまうだろう。
 

ところが目の前の車両が正しい部品で構成されているかどうかは、部品について知らなければ判断することが困難だ。
そこでそれが正しい部品であるかどうかの判断に役立ててもらえるように……そんな想いから「Stile tabloid Buono」を制作し、そしてだからこそ見やすさにもこだわり、大型の判型を採用している。
B4という大きさは新聞紙の約半分でもあり、いっそそれならば……と1/2新聞サイズで有名なタブロイド紙をイメージした作りとしてみたのもこだわった部分。
しかもビジュアル中心の構成としているので部品に興味がない人でも楽しく見てもらえるだろうし、きっと見ているうちにどのモデルにどんなキャブレターが使われているのかを覚えてしまうことにもなるのではないだろうか。

対して「Buono Libretto Series」のほうはというと、毎号1台の車両にスポットを当てていくというもの。
好きな号だけ集めてお気に入りモデルだけのセレクト図鑑にするもよし、フルコンプリートで完全図鑑を目指すのもよし……という具合だ。
そう、こちらは車両をきっちり紹介する図鑑的なものを目指している。
だから判型については最後まで悩んだが、いつもカバンに入れて持ち歩いてほしいという願いも込めてA5としたので、ぜひ擦り切れるほど読み返してもらいたいくらいに思っている。


さて、このような"想い"を込めて制作した2つのBuonoだが、まずリブレット(小さい判型)のほうを来春(2014年春ころ)に、そしてタブレット(大きい判型)はその後のできるだけ早いタイミングでそれぞれの2号を発行したいと準備中だ。
もしかすると近いうちに3つ目のBuonoをお披露目できるかもしれないが、それらすべての内容についてはいま暫くお待ちいただきたい。
 

ところで「Stile tabloid Buono」は、そのサイズから配送で苦労されているという話題を耳にした。
この話題は「折り曲げたくない」という読者側の声だけでなく、「なんとか折り曲げずにお届けしたい」というお取扱店様のお気持ちでもある。
このように多くの方が「Stile tabloid Buono」のことを愛してくださるのは、とてもありがたいこと。
お買い求めいただいたお読者の皆様とお取扱店様のすべてに感謝です。
どうもありがとうございます。

でも、今回はタブロイド(=新聞)ということで容赦なく折り曲げていただきたいと思う。
だってこれは新聞。
新聞ってそういうものだと考えているから。
じつは折り目が目立ち難い"紙質と厚み"へのこだわりも「Stile tabloid Buono」の特徴。
ぜひタブロイド紙に類似した形態という新媒体情報源として、折り曲げることを気にせずご活用いただきたいと願っている。