クラシカルなルックスはまさにPX
だがしかし
NewPXは果たして本物と言えるのか!?

成川商会から発売のアナウンスはされているが、いまだ詳細のつかめない新型PX。そこでBuonoが独自に入手した、ピアジオ本社によるPX復活アナウンスを意訳のうえお届けすることにしよう。

 

 

 

 

 

 

 

写真・文

ピアジオ本社広報

 

意訳

Buono編集部

 

車両に関する問い合わせ

成川商会

03-3542-0766

www.narikawa.co.jp

 

ここに1台のベスパが……


1946年以来、1700万台も販売され世界中で愛されてきたベスパ。さまざまな人々、そして幅広い世代に受け入れられ、とくに若い世代には自由の象徴と いったイメージで歓迎された。歴史的にも不可欠な存在であり、庶民の足代わり……つまりもっともミニマムでパーソナルな移動手段として戦後のヨーロッパで 普及。
サブカル的ミュージックシーンの側面でも、ベスパなのかランブレッタなのかという点でモッズやロッカーズたちにとって欠かせないアイコンであったといって も過言ではなく、音楽、反逆、浪漫、および現実逃避を具現化し、また同時に万人の自由の約束を表してもいた。ちょうどイタリア映画「甘い生活」のヒットし た1960-1970年代の若い世代による「考えの革命」のシンボルでもあり、ヨーロッパにRock'n Rollが到来し、MTVやデジタルミュージックといったムーブメントが認知され始めたころでもあった。

その後1978年にはPXの原型となるPシリーズがリリースされる。それから33年が経過した2010年の重大事件として、とてもミニマムな2輪パッケー ジのベスパPXが復活。かつて並外れて際立つ人気を保ち、あらゆる大陸で300万台以上を販売。まさに作っては売れるといった状態が続いていたが、それは 丈夫であり信頼性の高さを世界中のユーザーが認め、それが伝搬していったからこそ達成できたといえるものだった。
今回復活を果たすPXは、ベスパにとって4速ハンドチェンジ機構を備えた唯一のモデルとなる。デザインとディテール的にも、真のエンスージアストたちにとって見逃せないモデルとなるのは間違いないだろう。

 

技術とスタイルの改訂により、伝説は生き続ける

 

新型PXは、その30年間以上の成功の蓄積による古典的な長所のすべてを保持している。それは上品で最小限の必要不可欠なものであり、紛れもないスタイ ル、機能性、ユーザーフレンドリー、剛性の高いスチールモノコックのボディシェル、スペア・ホイールなどが踏襲されていることがわかる。なにより、シンプ ルな構成のエンジンは信頼性も高い。
レトロスタイルの復刻だけで満足したりするのではない。とても見やすく、瞬時に表示内容を認識できるようにデザインされたインパネを装備。スピードメー ターはデュアルスケールとし、km/hとmphに対応。フューエルゲージは自然な色合いの照明により見やすく、ヘッドライトLo/Hi、ウインカー、リ ザーブなどのインジケーターを整然と配置。
ツーリングなどの長距離についてはいつも区別……不適当と言わんばかりに扱われてきたベスパ。しかし新設計された新型PX用シートにはここちよく快適な表 皮とクッション性が確保され、並はずれて、ツーリングにも対応しうるスクーターとして改良されている。2名乗車にも十分なスペースを確保しているのはもち ろん、多くのライダーの体格へも理想的に対応するよう調整されており、運転操作がしやすく快適なものとなっている。
ヘッドライトにはマルチリフレクター&ハロゲンバルブを採用し、強力な配光の実現で夜間の視界を十分に確保。安全面でも大きく貢献している。
テールライトは、つねにありとあらゆるベスパの"らしさ"を特徴づけてきた。伝説的な1946年の98ccの小さくて丸いテールランプ、1962年の 125ccでは2つの異なるランプにクロムを施して美しく仕上げられていた。プリマベラET3に採用されたボクシーなデザインも、70'sのころにはい たって洗練されたものだった。そして新型PXにマッチするデザインを柔軟にかんがみて、上品なクロムのベース、クラシカルなコンポーネントとしている。
ウインカーにはクリアレンズ×オレンジバルブを採用。ベスパの"らしさ"をさらに誇張すべく多くのクロムパーツから吟味し、もっともエレガンスな組み合わせとした。
ブラックラバーにベスパロゴがあしらわれた、上品な仕上がりのニュータイプ・ハンドグリップも採用。
クラシカルなベスパロゴで誇張されたセンタートンネルカバーはリファインされ、エレガントなエッジをもち、光沢のあるマテリアルを採用。

 

新しいグリルデザインも、

古い時代のベスパから踏襲されたスタイル

 

ベスパはいつもユニボディ工法(いわゆるスチールモノコックボディを製造する技術的工法)を採用してきたことが最大の特徴で、いかなる他のスクーターとも 区別されてきた。新型PXもそこは変わることなく同工法が採用され、しかもクラシックな味付けをもたせながら優れた強度と精度をも実現している。
リンクアーム・フロント・サスペンションはベスパらしいキャラクターの実現には欠かせない本質的要素であり、技術的改善を施すとともにコイルスプリングと デュアルアクションハイドロリックサスペンションを採用。後部側ではサスペンションコンポーネントが接続されるエンジントランスミッションケース自体がス イングアームとして機能する構造をとり、3.50-10サイズのタイヤが装着される。
フロントにはφ200mmのディスクブレーキを採用し、リヤにはφ150mmのドラムブレーキを装備。強力な制動力と信頼性を両立。
125/150ccシングルシリンダーの強制空冷2ストロークエンジンには、CDIと電子制御式インジェクションを装備。セルフ/キック併用のエンジン始動方式を採用している。結局のところ、キックペダルを持たないクラシックベスパなど誰も想像できないだろう。
新しい触媒コンバーターを使用することで、環境性能にも十分な対応を実現しており、デザイン性を満たしながら最も厳しいユーロ3規格もクリア。
4段変速のマニュアルギアボックスを装備して復刻する新型PXだが、これを選ぶということはライディングプレジャーを手に入れるということを意味している。



以上の復活アナウンスの冒頭には「時を越え、もっともベスパらしいベスパが"らしさ"を一切失うことなく復刻した。ずっと守られてきた伝統のエンジンサイ ズにより、世界中の誰もが知っているベスパそのものとして。納得のルックスに最も厳しい排出基準であるユーロ3をクリアしたエンジンの搭載、そしてハンド チェンジ方式を踏襲した4速トランスミッションの採用により紛れもない"ベスパ"の復活なのである」と明言されている。
このように現代的な進化を遂げた新型PXは、どうやら"紛れもない本物"であると判断してよさそうだ。いずれ成川商会の手でデリバリーされることになるはずだが、そのときがとても楽しみで仕方ない。

 

 

カラー設定も未発表のままだが、昨秋開催のミラノショーで発表されたときはブルーとレッドが並べられた。とくにレッドはオプション装着イメージとされ、スクリーン、前後キャリア、サイドバンパーを装備。シート上のヘルメットもいい感じのデザインが施されている
カラー設定も未発表のままだが、昨秋開催のミラノショーで発表されたときはブルーとレッドが並べられた。とくにレッドはオプション装着イメージとされ、スクリーン、前後キャリア、サイドバンパーを装備。シート上のヘルメットもいい感じのデザインが施されている
PX150 Euro3
PX150 Euro3

【主要諸元】
VESPA PX125 Euro3

/PX150 Euro3

価格◎未定
製造者◎PIAGGIO C S.p.A
車名◎PIAGGIO
通称◎VESPA PX125 Euro3

/PX150 Euro3
型式名◎ZAPM74100

/ZAPM74200
エンジン◎空冷2ストローク単気筒

ロータリーバルブ3ジェットポート、キャタライザー付
内径×行程◎52.5mm×57.0mm/57.8mm×57.0mm
排気量◎123cc/150cc
パワー◎4.8kW(6.53ps)/6,000rpm/5.8kW(7.89ps)/6,000rpm
トルク◎9.3N-m(0.95kgf-m)/4,250rpm/11.2N-m(kgf-m)/4,000rpm
始動方式◎セルフ/キック併用式
トランスミッション◎4スピード-コンスタントメッシュギア、グリップコントロール

PX125 Euro3
PX125 Euro3

イグニッション◎CDIイグニッションシステム
バッテリー◎12V/9A
ヘッドランプ◎ハロゲンランプ、コンプレックス-リフレクター付き
インパネ◎アナログ式(スピードメーター&燃料計)
フレーム◎スチールモノコックボデイ
Fサスペンション◎ハイドロリックダンパーコイルスプリング
Rサスペンション◎ハイドロリックダンパー
ブレーキ(F/R)◎Φ200mm径-油圧式シングルディスク/Φ150mm-機械式ドラム
タイヤ/ホイール(F/R)◎3.50-10"/2.10-10"/3.50-10"/2.10-10"
全長×巾◎1.780mm×750mm
ホイールベース◎1.250mm
シート高◎810mm
タンク容量◎8L(ガソリン)、1.5L(オイル)
ストレージサイズ◎フロントグローブボックスのみ
乾燥重量◎120kg
最高速度◎84km/h/88km/h
エミッシヨン◎Euro3

 

model image @ New PX