#02 本当に買っていい車体なのかを見極められるかがキモ

 

本文とはまったく無関係なんだけど、シート下ラゲッジの用意されていないP200E/P200EMでは、フロントのトランクBOXが実に有効な装備だったりする。そのトランクBOXのサイズがPXよりも小ぶりのタイプだって、つい最近知ったよ。ほかにもPとPXって差異がけっこうあるのね。そんな話もおいおいと……
本文とはまったく無関係なんだけど、シート下ラゲッジの用意されていないP200E/P200EMでは、フロントのトランクBOXが実に有効な装備だったりする。そのトランクBOXのサイズがPXよりも小ぶりのタイプだって、つい最近知ったよ。ほかにもPとPXって差異がけっこうあるのね。そんな話もおいおいと……

 

 

まあ、ご存知のとおり、すでに車体は"Get!"してあるんだけれど、便宜上(?)いかに程度のいい車体を探し出せるかというところが当企画……しいてはこの企画に興味を持ち、じっさいに自らベスパ再生に挑んでみようという人にとってのキモになるといえる。ここでいう程度のいい車体とは、入手後にあまり手のかからないという意味ね。
安心して、末永くベスパライフを楽しんでいこうと考えているなら、入手後そのままでOKとはせずに点検整備はきっちりとやっておくべき。だから、そういう意味……だって30年選手のP200EやP200EM(世間一般ではどちらも区別なくP200Eとされている場合が多いんだけど、P200Eは混合給油モデルのことで、P200EMは分離給油モデルのこと。ガソリンといっしょに2stオイルを入れて、車体を揺すったりして混ぜ合わせる必要のあるのがP200E。2stオイルを別に入れておき、ガソリンスタンドではガソリンを入れるだけでいいのがP200EMだ)なんだから、少なからず手をかけるつもりでいるべきってことね……で、"あまり手のかからない"という表現にしているのだ。
話は前後しちゃうけど、程度だけで言うなら最上級は新車ということになる。でもSD誌で触れているとおり、現状ではハンドチェンジのベスパを新車購入することは不可能(いずれNew PXがデビューするだろうけれど、2011年3月初旬の段階ではベスパにハンドチェンジモデルは存在していない)。
ちなみにベスパによく似たLML・スターデラックスなら新車で買えるけれど、今回の企画趣旨からは外れてしまうので却下。だけど、いずれ機会があればLMLのことも掘り下げてみたいと思っているので、それまでしばしお待ちを〜。
……そんなワケで、欲しいと思ったら中古で購入するしか方法がないのはご理解いただけたかな? 念のため言っておくと「新車のデッドストックがあるじゃん」とか、「譲り受けたから買わずに済んだ」なんて話は例外中の例外だから除外。だってフツウにはあり得ないでしょ!
そんなP200EやP200EMをショップで探すとなると、乗り出しで30万円代くらいの車両が比較的目につくみたい。それぞれの程度って、中古車だけに当然のごとくピンキリ! ……なので、さらに高額なものから少々お値打ち感のあるものまでさまざまだったりすると思うワケ。
でもね、今回は「ちょっと古いベスパを安く探して、直しながら楽しんじゃおう!」と考えている。つまり程度だけではなく、入手価格も重要なファクターとなってくるということ。
そうなるとショップではないところから、いかに程度のいいものを見つけられるかがキモといえそう。まあ現状ってことで格安の出物がときどき並んだりすることもあるので、ショップがダメってことじゃないんだけどね。

ハイ、注目!
じゃあ、どうやって探す?
どうすれば程度を判断できる?

この企画を読んでくれる読者の大半は、おそらくベスパについてビギナーだろうと思う。というか、そう思って進行しちゃう。なので一番の問題は程度の判断ができないということに尽きる! さらに言っちゃうと、許容範囲を見極められるほどの経験値がないってことが一番問題なのだ。
たとえば「足まわりのガタをチェック」という項目だと、本で見たり人から聞いたりすればガタつきを確認することはビギナーにだってできる。だけど足まわりには少なからずガタつきがあるものなので、どのくらいまでなら"買い"の判断をしていいのかが重要となるのだ。そしてチェック項目は複数箇所に渡るので、こっちはいいけどこれはダメといったときに「ダメなところはなんとかなるから、ここがいいこの車体を買ってしまおう」というような判断ができるかどうか……まさに迷宮状態になりかねない。
う〜ん、これじゃマズイではないか……ってことで、次回はそのあたりの解決策に触れてみようと思っているので乞うご期待!!

 

 

◎誌面でも触れている工具のこと
ベスパに乗りだすなら、ぜひお勧めしたい工具類がこちら。それぞれの説明は写真ごとのキャプションを参照してね。ほかに100円ショップでも買えるスポンジタイプのバスマットを用意しておくと、整備のときにヒザをついたり座るとき、痛みと冷えを軽減してくれるので重宝するぞ。ツーリングなどの出先なら、コンビニなどでダンボールを分けてもらうのも有効だ。その場合、ジュースの缶がエンジンのジャッキとしても使えたり、けっこう現場対応で整備しやすくできたりもする。そういったアイディアは経験者がいろいろと知っているはずなので、ベスパ乗りの仲間を作ることもお勧めだったりするよ。

クラッチをバラすための特殊工具/これってじつは自作もの。クランクシャフトより細めの長ボルト、長めのナット、ワッシャー×3枚を組み合わせただけのシンプルなつくり。ホームセンターなどで材料調達が可能なので、真似して用意しておくとセルフメンテ時に役立つぞ
クラッチをバラすための特殊工具/これってじつは自作もの。クランクシャフトより細めの長ボルト、長めのナット、ワッシャー×3枚を組み合わせただけのシンプルなつくり。ホームセンターなどで材料調達が可能なので、真似して用意しておくとセルフメンテ時に役立つぞ
ワイヤーエンド用の薄口スパナ/写真はスナップオンツールズの製品で、8-10と6-7のスパナ。薄口であることが重要なので、メーカーはどこでもかまわない。買いそろえるなら7mmは普通のものでOKだが、8mmのほうは薄口でないと使えないから注意が必要だ
ワイヤーエンド用の薄口スパナ/写真はスナップオンツールズの製品で、8-10と6-7のスパナ。薄口であることが重要なので、メーカーはどこでもかまわない。買いそろえるなら7mmは普通のものでOKだが、8mmのほうは薄口でないと使えないから注意が必要だ
ワイヤ−を引っぱる工具とその際に利用すると便利なアウターチューブ流用品/ワイヤー引きの工具はとくにベスパ用として販売されているものではなく、自転車工具からの流用品。過去に京葉ベスパがアウターとのセットで販売していた時代もあったほどポピュラーなもの。いまでも取り扱うベスパ専門店があるほどだ。HOZAN C-356という商品番号でオーダーできる
ワイヤ−を引っぱる工具とその際に利用すると便利なアウターチューブ流用品/ワイヤー引きの工具はとくにベスパ用として販売されているものではなく、自転車工具からの流用品。過去に京葉ベスパがアウターとのセットで販売していた時代もあったほどポピュラーなもの。いまでも取り扱うベスパ専門店があるほどだ。HOZAN C-356という商品番号でオーダーできる